昨日、夏タイヤに交換しました。
この冬に「メンバーブレースセット」というものをクルマに装着したのですが、スタッドレスタイヤではイマイチその効果がわからなかったんです。
多少は体感したのですが、タイヤの限界が低すぎて、メンバーブレース装着でどうこうという問題じゃなかった、というか。
というわけで夏タイヤにして実家からの帰り道、知っているいくつかの峠で振り回してみました。
その峠をホームコースにしている"走り屋"の人たちと遭遇することもありましたが、なんかペースが遅いので、気にせずにパッシングかけたら道を譲られ、後ろから激励のパッシングをもらいました。(恥ずかしながら顔見知りです)
下りとはいえファミリアSワゴンに道を譲る180SXやインプWRXやスカイラインGTR…実家のほうはまだもうひと雪くる可能性もあるので、まだ冬タイヤなんでしょうね。
で、振り回してみたんですが、いやなんていうかビバ・メンバーブレース!って感じですね。
メンバーブレースってのは、その名の通り、サスペンションのメンバー(アームなど)にブレース(かすがい)を入れることです。
具体的にどんなのかというと、こんなのです。↓
フロントセクション リアセクション。
この赤いのが「メンバーブレース」です。
フロントセクションで、横一文字のがありますが、これはメンバーブレースセットのキットには入っていなくて、単独で「フロント・ロアアームバー」といいます。
ロア(下部)アームをつなぐ棒なのでそういう名称ですね。
私のファミリアには両方装着されています。
赤いカラーがとても刺激的で「どれすあっぷ」効果もバッチリ。
下から見るととてもカッコいいです。
というわけで私は周囲に「これはドレスアップだ」と強調しています。
#いや、機能・性能向上を目的にした改造はやらない、ということになってまして。
これを装着した状態での走りなのですが、トラクションが段違いです。
もうなんていうか、執拗に執拗にタイヤが路面を捉え続けます。
スプリングもショックアブゾーバーもノーマルなため、クルマの挙動としてはかなり大きなロール(左右のゆれ)がきます。
ひっくり返るんじゃないかってくらいにロールします。
#助手席にいた友人曰く「うわぁ〜〜〜転ぶ〜〜〜転ぶ〜〜〜」
しかし、それでもタイヤは路面を手放しません。
いままでリアが流れていたレベルのスピードでもタイヤは路面を掴み続け、4輪が流れていたようなレベルの速度ですら、タイヤはまだかろうじて路面を離しません。
私が履いているタイヤは夏タイヤとはいえ純正OEM装着のもので、けっしてハイグリップなタイヤではありません。
事実、尻や手や足や背中に伝わってくる感触はグリップレベルが高いタイヤのものではないんです。
しかしその、決してハイレベルではないグリップのタイヤ(ハイグリップタイヤが陸上シューズだとしたら私が履いているのはスニーカーです)でも、サスペンションが仕事をしてタイヤを地面に押し付け続けているのが感じ取れます。
そう、タイヤのグリップで走っているんじゃなくて、サスペンションのデキのよさで走っているんです。
メンバーブレースが、サスペンションメンバーの余分な動作を抑え、動きを整えてゆがみなどを削減し、タイヤの接地角度を最適に保っているんでしょう。
リアの振り出しは少々しにくくなりましたが、これは私の走り方からいえばむしろ歓迎する傾向。
いざとなればフェイントを使えばいいことですし。
ともあれ、コーナリングスピードは飛躍的に上がりました。
ただ、ショックアブゾーバーやスプリングはノーマルなので、前述したようにロールは大きいですし、ロール収束が遅いため、S字が連続するところなどはちゃんと速度をおとさないと、揺り返しの対処が間に合わないこともあります。
反面、S字ではないことがわかっている直線のあとのヘアピン(コースを知っている必要がありますが)などは、ロールが大きいなら大きいなりなりに体勢を作って飛び込めるんで、ノーマルサスペンションとは思えないコーナリング速度を実現できます。
#だれですかノーマルじゃねぇだろうとか言う人は
挙動は、ぱっとみてサスペンション改造車のそれではないです。
あくまでも、ノーマルサスペンションの挙動に見えます。
しかし、そのままでコーナリング限界だけが飛びぬけて向上しているんです。
足回りを改造している"走り屋"の人たちが後ろから追いかけてきたらきっと戸惑います(笑)。
この、なんていうんでしょうか、ロールなどの挙動と、それを裏切る接地性のよさっていうミスマッチが、乗っていてとても楽しいです。
デメリットもあります。
それは乗り心地。
メンバーブレースセットは、サスペンションメンバーの剛性を高めるパーツでして、ボディ剛性を高めるパーツではないです。
そのため、メンバーブレースセットを付けた状態だと、いままでサスペンションがゆがむことで逃げていた突き上げなども、正直に伝えてきます。
特に低速走行時の道路工事跡やマンホールの段差とかで、それを顕著に感じます。
まあ我慢できないほどではまったくないんですが、もともとがとてもサス剛性が低かったこともあり、それと比較すると体感で乗り心地の悪化が判りますから、家族の意見が強いかたは注意が必要です。
あと、やりたいドレスアップとしては、軽量ホイールとスタビライザー交換です。
軽量ホイールは効果は高いものの価格も高いのが玉に瑕。
バネ下重量の低減は、走る・曲がる・止まるの基本性能の底上げに全体的に効くんですけどねぇ。
軽量で強靭な素材というのは一般的に高価なんですよね。
軽量素材を生かして造形する工作技術も高度なものが必要ですから、技術料もふくめて、軽量でなおかつ信頼できる強度を誇るホイールというのは、どうしても高いんです。
#過去にサーキット走行で安物ホイールのスポークを折った経験があるんで、
#安易に安い「軽いけど弱いかも?」なホイールには怖くて手が出せません。
さらに、私の車にはホイールサイズの問題もあります。
いたずらなインチアップを断じて望まない私は、できるだけノーマルサイズでの軽量ホイールを探しています。
しかし、標準装着タイヤサイズ 195/50R16なんていうところかも予想できるように、とても特殊な、というか中途半端なサイズのホイールなんです。
16インチ×7JJ。これがなかなか見つかりません。
16×7.5なら見つかったりするんですが軽量かどうかは不明だったり。
いまやそういう走り重視のホイールは17, 18インチサイズが主流になりつつあるんでしょうが、寂しいかぎりです。
っていうか標準装着のが半端すぎるんですがね…。
というわけで、まずは、装着するとなるとスタビライザーになると思います。
私の車には標準でスタビライザーが付いていますが、より強力なものに換えるということです。
スタビライザーはバネの一種で、棒状のものがコ型になっています。
このコ型の上と下の横棒が、それぞれ左右のサスペンションメンバーを結びます。
で、ロール(左右にゆれること)がおこると、これがねじれるんで、このねじれに対する反力が発生します。
ロールしてないときはバネになりません。
ようするに、「ロールするときだけバネになる鉄の棒」がスタビライザーです。
つまり、まっすぐ走っているときは乗り心地が悪くならないけど、曲がるときだけ横方向にふんばる、という働きをします。
これを装着すれば、前述の"ひっくりかえりそうなロール"は押さえられるので、より素直な操縦性がたのしめそうです。
まあ、先立つものがあれば、の話ではありますが(笑)。
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