MAZDASPEED ショックアブゾーバ- & スプリング

バイクもクルマもサスペンションは黄色です(笑)
こちらはマツダスピード製のショックアブゾーバに、同社から発売されているドイツアイバッハ社製のスプリングの組み合わせです。
こうしてみると黄色いので結構目立ちますが、実際にはタイヤの奥に隠れてるから換えてあることなんて外見からはそうそう判るものではありません。

このスプリングは、車高がほんの少し──25ミリ落ちます。
ノーマルのクルマと並べて停めれば判るというレベルでしょうか。
本当は、車高を含めてノーマルのディメンジョンというのは公道を走る上で最も洗練されていると思っていますし、雪が降る地方に住んでいることもあり、またこれ見よがしの変更って好きじゃないので、車高が落ちないスプリングがよかったのですが、メジャーなクルマではないせいか、スプリングレート(ばねの強さ)だけ大きくて(レートが高いといいます)、車高が変わらないという、都合のいいスプリングは残念ながら見つかりませんでした。

25ミリの車高ダウンですが、たとえばコンビニに入るときに「車止め」のでっばりにバンパーがギリギリこすらないという高さです(笑)
バックで入った場合、マフラーの下の部分も、ギリギリのクリアランスでこすりません。
この辺はさすがワークス(マツダスピード)ブランドというべきなのかも。

確かに車高が低いほうが重心も低くなり安定しますが、それは高μかつ高平面性が期待できるサーキットなどでの話。
公道の峠道などは荒れていることも多く、車高の低い、つまり硬い脚──車高を下げれば必然的にサスペンションのストロークは短くなりますから、短いストロークで力を受け止めようとすれば硬くせざるをえません──では跳ねてしまってトラクションを失い、かえって遅く、そして気持ちよく走れないこともあります。
この辺のことを考えると、公道では、ある程度はしなやかな脚がいいのではないか、というのが持論です。

このサスペンションシステムは「車高調整式」ではありません。
でも、ショックアブゾーバの「減衰力」は調整できます。
前輪用と後輪用で調整方法が違うんですが、この画像は前輪用の調整機構です。
ボンネットの中、前輪のストラットタワーのところで調整します。
画像はピンぼけ&高圧縮なので見難いですが、ドライバーのようなもので真中の赤いとこを回して調整します。
後輪は、上の画像の黄色いところ(ブーツ)の裏側にダイヤルがあります。タイヤをはずさないとちょっと調整できないかな。

前後とも5段階の調整できます。
私は前が4か3、後ろが2という設定にすることが多いです。これだとリアは安定してそう簡単に後輪が流れたりしません。が、その代わり(ブレーキングの腕次第ですが)流れるときは4輪とも流れたりします。
私はドリフト派ではなく、どちらかというとグリップ&旋回速度重視です。リアを流すこともありますが、流そうと思って流すことより、旋回速度がタイヤの限界を超えて、結果としてタイヤが滑り出すということのほうが多い感じです。
あまりパワフルでないFFですから、ハイパワーFR車のように、大出力で後輪のグリップを奪うようなことはできませんし。
後輪のグリップを奪おうとするなら、もっともお手軽なのが旋回中にサイドブレーキを使うことですが、私はこれもあまりやりません。
#ジムカーナみたいに狭いコースを縦横に走るときは必須ですが
そうするとやはり慣性──速度でグリップを奪うしかないわけです。…あんまりやりませんけど(笑)

もともとサスペンションを換えようと思ったのは、「より思い通りに動くクルマをめざして」ということでした。
私はあまり運転が上手なほうではないので、「操作した瞬間に操作した通りに操作した分だけ反応する」クルマでないと、安心して運転できないんです。そーいう意味ではクラウンとかは駄目です(^^;
たとえば、ステアリングを切ると──
そう、クルマの向きが変わりますよね。
でも、「ステアリング」はクルマの向きを変える装置じゃありません。
「ステアリング」がすることは「クルマの前輪の向きを変える」ということだけです。
その結果、横方向にも力がかかる(「ヨーが立ち上がる」といいます)ようになり──
でもクルマのボディはまだ前に進もうとしてますし、また遠心力もありますから、クルマはハンドルを切ったほうと逆に傾きます。(この動きをロールといいます)
つまり内側のサスペンションが伸びて、外側のサスペンションが縮みます。
このサスペンションの、伸びたり縮んだりが終わって、ようやくクルマが向きを変え始めます。
脚周りを硬くするというのは、この「伸びたり縮んだりが終わる」までの時間を短くしたい(初期応答性の向上)のと、動きを少なくすることによって旋回中の安定をよりよくし、さらにショートストロークによるキャンバー(タイヤが地面に対してどのくらいナナメになっちゃってるかという角度)変化の極小化(これがもたらすのはトラクションの改善による旋回速度向上)を狙ってのことです。

犠牲になっているのは乗りごこちです(^^;
もっとも、ボディ剛性が高いせいかそれほど悪くはありません。
思い通りに動くので、運転者はかえって疲れないかも(笑)