Suzuki Goose 350 ご紹介


私の2001年6月末までの愛車です。スズキグース350。
カッコイイでしょう?(お願い肯いて(笑))
ちょっと日本車にはないデザインです。外車と勘違いされたことも何度かあります。
ほんとはヤマハFZ400の中古を探しにレッドバロン長岡店にいきまして、置いてあったこれに一目惚れ…で、おもむろに衝動買いしました。

路上で強烈に存在感を主張する、目が覚めるような鮮やかなメタリックブルーの色彩。(本物はもっともっと綺麗です。回線速度を考慮して涙をのんで質を落としました)
コーナーでマシンを押え込むために、攻撃的に低く構えたハンドル周り。
全開をコーナー直前まで維持し、ブレーキングとともに旋回する、その応力を受け止めるための倒立式フロントフォーク。
そして、大きくバンクして攻めることを前提に、後尾で雄々しく高々と跳ね上げられたエキゾースト。
どれを取っても、設計者の魂が伝わってくるじゃありませんか(笑)
…メロメロです(笑)

グースは「ガチョウ」という意味だそうです。
なんでも、イギリスのマン島というところで、有名な「ツーリストトロフィー」という、公道を使用したレースがあり、そのコースに「ガチョウの首(グースネック=gooseneck)」と呼ばれる名物のヘアピンコーナーがあるのだそうです。
で、そういうステージを走るために作られたバイクということで、そこから名前をもらって「Goose」という車名にしたそうです。
…まあこの辺はGooseを扱っているサイトならどこにでも書いてあるんですけどね(笑)
私、格好だけで買ってしまいましたので、こういうことは後から聞いたんです(^^;

心臓部は、350cc・単気筒・SOHC・4バルブ・油冷エンジン。
DR350というオフロードレーサー(公道は走れません)のエンジンをベースに開発したものだそうです。
カタログスペックでは、3.3kgmのトルクと、33psのパワーをアウトプットします。
たった33psと思うかもしれませんが、車重は145Kgに過ぎませんから、加速力はなかなかです。
ご覧のとおりネイキッド(カウルがない)ですから、最高速領域は苦手ですけどね(^^;

空冷エンジンのように美しく広がるエンジン冷却フィン。ラジエターによる水冷バイクでは、こんなに美しいエンジンは望めません(シンプルでカッコイイとは思いますが)。
エンジンの造形を鑑賞するというのは、ネイキッドバイクならではの楽しみです。フルカウルのバイクは、エンジンが隠れることを前提に車体やエンジンが設計されますので、エンジンの外見の美しさを望むのは野暮というものです。このせいもあり、私はフルカウルバイクのアンダーカウルを外すのが好きではありません。

油冷エンジンのバイクというのは、スズキ独自のもののようで、他社の製品では耳にしません。空冷エンジンにオイルクーラーをつけ、さらにシリンダー内にオイルの回廊を作ってそこにオイルを巡回させて冷却するシステムのようです。
エンジンの下のほうに、逆三角の赤いシールが貼ってあるのがオイルタンクです。その左上、蒼いフレームにぶら下がるようにくっついている黒い四角いのがオイルクーラーです。低い位置にあるので、飛び石などで破損しないように、金網製のガードがついています。
このオイルクーラーは少々容量不足で、真夏などはエンジンが熱ダレします。次の改造の最有力候補です。

タコメーターのレッドラインは10000rpm(毎分一万回転)。レヴリミッターは11000rpmに設定されているようです。
エンジンはきっちり吹けあがり、レヴリミッターにあたるまで回ります。
20000rpmを許容する、最近の250cc四気筒(マルチと読むそうです)DOHCエンジンに比べるとわずかに半分ですが、1990年代の初めに発売された、単気筒SOHC350ccエンジンということを考えると、驚異的な超高回転型といえます。
峠道で、6速ギアボックスを駆使して、このメーターの針を7500rpmより上に置きながら走るのはとても楽しいです。

メーターケースのふちはクロームメッキで、「往年」な感じを出していいます。
照光の(透過光ではない)メーターですが、夜も見やすく、また、シンプルで機能的なデザインで気に入っています。

Goose350には、倒立式フロントフォークが採用されています。
倒立式というのは、ブーツが上にあるということです。
観ていただければわかると思いますが、フロントの脚、上の黒い(ほんとは紺なんですけど)のほうが太いですよね。そして、インナーチューブ(銀色のところ)が下にあります。この方式を「倒立式」といいます。
これに対して普通のものは(あえていえば)「正立式」と呼ばれます。

倒立式が正立式に対しているのは優れているのは、剛性です。
剛性を上げようとすると、チューブの直径を太くする必要があるんですが、正立式でそれを行うとどうしても下がより太くなり、バネ下重量の増加によって運動性能を損ないます。
これを解決するために考案されたのが倒立式で、太いほうを上に持ってきてしまおうという発想です。
その開発理由から、高剛性を要求するレーサー(レプリカ含む)などに多く採用され、「疾走するっ!」というスピリットがみなぎっている方式ということで、我がGooseにも採用されたと思っています。

しかしその高剛性を活かすには、高剛性なフレームが必要です。
Gooseのフレームはどちらかといえばしなやかで、正直いってこの倒立フォークはオーバースペック、もうすこししなやかな脚のほうが乗り味がいいのでは、などと思っております。
でも、カッコイイです。(笑)

タコメーターの針を7500rpmより上に保つようなライディングが楽しめるのも、強力なブレーキがあってこそです。
トキコ製の対向4ポット異径キャリパーという凝ったブレーキシステムが採用されています。画像を見ると、「TOKICO」と刻印されたキャリパーには二つピストンの丸があるのですが、下のピストンより上のピストンの方が大きいのがわかると思います。これは回転するブレーキディスクに対して、面圧を一定に保つための工夫だとか。
これにセミメタルパッドを組み合わせて、十分なストッピングパワーを発揮しています。

しかし、同じGooseに乗っている人と話をすると、「イマイチ効きが甘い」と指摘する人も多いようです。もしかしたら私とはブレーキに求めている制動性能のレベルそのものが違うのかもしれませんね。
私は、このブレーキでもフロントタイヤをロック寸前まで追い込めます(もちろんロックさせることもできますが、バイクでフロントタイヤがロックすると転倒につながります(^^;)。
おかげで蔵王に行ったときは、エコーラインの下りの直線で全開で限界速度を出しても、迫り来るコーナーが怖くありませんでした。
もしかして、肩揉みで鍛えた握力がモノをいっているのでしょうか。(苦笑)

そして、人間がまたがるとこんな感じです。
ライダーは、グレート…じゃなかった、My グランド・ファーザー・マサノブです(笑)。
人間との大きさのバランスを紹介しようと思って跨ってもらいました。彼もかなり乗ります…まあそれは置いときまして。
彼の身長は…165cmくらいでしたでしょうか?
靴底をべったり地面につけて、膝に十分な余裕があります。
Gooseのコンパクトさがわかると思います。
車高が低いだけでなく、単気筒ならではの「スリムさ」を持っていますので、ガニ股になることもなく、女性でも十分に脚が届きます。
しかし、ちょっとスパルタンなバイクなので、これに乗っている女性ライダーは少ないかも…
私は180cmを少し越えますので、Gooseに跨ると、まるで原付のようです。

あと、凄くハンドルの位置が低いのもわかると思います。
長距離ツーリングでは、背筋と腰に負担がかかります(笑)。
タンクに伏せて、細かいギアチェンジを駆使して、高回転型のエンジンをぶん回し、峠道を飛び回るのが身上のバイクです。
なんたって、カタログに踊っている文字がスバラシイです。
「直線は退屈だ」
…まったく、そのとおりです。