ストラットタワーバー
2002年6月16日

雑記でもたびたび書いてきたとおり、ファミリアSワゴンのリア周りの剛性はかなり低いです。
このリア周りの柔らかさはいっそ子気味いいくらいで(笑)、「ああ、攻めて走るように設計されてないなあ」と実感するものです。
しかし、「ちょっとスポーツ」よりもほんのわずかでもハイペースになり、たまにリアを振るような走りになると、この柔らかさが鼻につきます。
せっかくのよく出来たサスペンション(決して硬くないんで、やはり「ちょっとスポーツ」のレベルなのですが)が、ボディの柔らかさに引きずられてトラクション性能を低下させるようです。
大きなリア開口部を持つワゴンの宿命とはいえ、もうちょっとどうにかならないもんか…と思って取り付けたのがこのリアストラットタワーバーです。

効果は体感できます。
よく締まった腰が、柔らかい脚をしっかりと支える感じです。
コーナリングの際の、グリップ限界が上がりました。リアを振り出してからの安定感も増し、グリップ復帰の際の姿勢の乱れも穏やかになっています。

ボルトオンですが、多少の加工は必要です。
「ボルトオン=溶接不要」というニュアンスですね。
右の画像は、ラゲッジスペース内のリアホイールハウスガード(?)のところのアップです。
リアストラットタワーは、もちろん標準では内装で完全に覆われていますから、そこからタワーバーを掛けるには、切り欠きが必要です。
上手に処理すれば、あまり違和感はありません。
気になるようであれば、なにかカバーのようなものを作って覆えば完璧というところ。

なお、本当に大きな荷物を積む必要があってタワーバーを外さないといけないときは、この画像に映っているボルトを外すと、バーだけを取り外すことができます。

リア周りの剛性が上がって、フロントとのバランスが崩れたようです。
具体的にいうと、アンダーステアがでるようになりました。
硬くなったリア周りに合わせて、フロントの剛性もあげることにしまして、アルミ製の三点式のストラットタワーバーを装着。
ノーマルのものに比べて、ずいぶんと頑丈そうです。
もっとも、ノーマルのは、スチール製ですから、見た目貧弱でもそこそこ強度があったのでしょうけれど。
アルミとはいえ太く、また三点式ですから、ノーマルよりはかなり高剛性のようです。
リアとのバランスも戻りました…ということは、やはり効果があったと考えられます。
このフロントのストラットタワーバー、なかなかスグレモノで、「マスターシリンダーストッパー」の機能もあります。
左図の、赤丸のところがそれで、右いにあるのが拡大写真。

マスターシリンダーというのは、ブレーキのマスターシリンダーのことで、要するに、ペダルからの踏力でこのシリンダーの中のピストンを押して、油圧を使って実際のブレーキを動かすことになるんですが、その起点となるシリンダーのことです。 大体のクルマは、ブレーキペダルの近くに配置されています。
だって、ペダルを押して、機械的なリンクを介して、物理的にこのシリンダーの中のピストンを押すわけですから。
拡大写真のなかで、ナナメ下に下りてるアルミのアーム、これが「マスターシリンダーストッパー」です。
マスターシリンダーを、ボルトとブッシュを介してガッキと押さえ込んでいます。
ピストンが押されると、封入されているオイル(フルードといいます)が押し出されるわけですが、その際、シリンダーも多少押されて動いてしまいます。
マスターシリンダーストッパーは、このシリンダーを押さえつけて、「びく」ともさせなくするのが直接の目的です。
ブレーキを踏み始めてからのダイレクト感が増しますし、シリンダーが動くために逃げていた踏力がオイルに集中するため、効きも多少良くなるようです。

ともあれ、決してハイペースで峠を攻めるようなクルマではないものの、これで少しポテンシャルが上がりました。
まあ、「ちょっとスポーツ+α」のときでも、安心して走れるようになってきています。


…はっ!?
…いかんいかん、もう走り系のチューンはしないと心に硬く誓ったんだった…。
…こ、これはほら、ドレスアップですよ、ドレスアップ。
…エンジンルームとカーゴルームの(断言)。