MAZDASPEED AXELA ご紹介
2006年7月23日

マツダ・アクセラのハイパフォーマンスバージョン。
「マツダスピード・アクセラ」。2013年1月までの私の愛車です。
本日2006年7月23日に納車(というかひきとり)。
5月20日には発注していますから、2ヶ月待ち。さすが月販売目標わずか200台はダテじゃありません(ちなみにクラウンは月5000台以上売れている)。
オートマ設定ないし、もうコレ日本で頑張って売る気ないですねマツダ。
さらに価格が安い。車両本体241万円。売る気もなけりゃ儲ける気もない、ときたもんだ。
オートマに飽きていた時期でもあり、またいろいろストレスがたまっていた時期でもあって、あまりの買い得感におもわず衝動買いですよ。

納車引取りにいって初顔合わせ。
前の車のファミリア、その前のランティスの鮮やかな色と比べるとずいぶんとしっとりと落ち着いた色を選んでみました。
色名は「コズミックブルーマイカ」。まあわかりやすくいうとブルーグレー?という感じ。
これなら目立たないのでアンナトコとかソンナトコとかに行けます(どこだそれは)。

アクセラは1.5リットルモデルもあるような車体です。そこに2.3リットルのターボエンジンを突っ込んでるんですから動力性能に不満が出るはずもありません。
乗り心地は、前車のメンバーブレースセットを入れたファミリアSワゴンに比べると、硬いながらも角は取れていて結構乗り心地良いです。
そりゃ400万円超の高級車とかと比較しちゃいけませんが、ね。


で、これがサイドビュー。
「タイヤ、でっかいなー」というのが第一印象。
タイヤとフェンダーのところがギリギリな感じで、いかにもよく踏ん張りそう。
フロントとリアのオーバーハングも短く切り詰められていて、敏捷そうに見えます。

ファミリアは「Sワゴン」とかいって、誰がどう見ても「5ドアハッチバック」なのを日本国内のマーケティングのためにワゴンと言い張っていましたが、最近は日本ではワゴンも不振。
というわけで?マツダが打ち出したのは「スポーツ」という呼称。
アクセラセダンとアクセラスポーツというのがあって、このスポーツってのが5ドアハッチバックなのですな。
しかしハッチバックのような広い開口部を持つボディはセダンよりも同重量では剛性が低下してしまい、スポーツ性能を出すのが難しいというジレンマが。
いいから剛性面で有利なセダンでマツダスピードバージョンを出せと。
そうまでして5ドアハッチバックを売りたいかと。
というか、実は5ドアハッチバックが売れないのは日本だけの現象で、ヨーロッパでは、実用性と走行性能とデザイン性を同時に追求できるボディ形式だということで、結構な人気があります。
で、このアクセラはもともと世界戦略車なので、海外のそういったマーケットを無視できず、日本ではあまり人気が無い5ドアハッチバックをメインに据えないといけないという事情もあります。

リアサイドウィンドウのスモーク処理は、Sワゴンより控えめになったかな?という感じ。
ちょっと暗いですが、内部が見通せないほどの下品さではありません。

屋根の後端にくっついているのはエアロパーツ。
標準のアクセラのものよりはちょっとだけ大振りですが、はっきり目立つようなものではなく、個人的には好感が持てます。

フロントビュー。
ボディカラーも影響しているのでしょうが、思いのほか上品なツラガマエ。
ノーマルのアクセラよりさらに幅広になっていて、全幅は1765mm。
雑誌などでは鮮やかな赤いボディで、かなり威圧感を感じていたのですが、こうしてみると実にいたって普通のクルマ。
迫力はあまりありません。よきかなよきかな。

とはいえ、さすがに張り出したフェンダーラインは躍動感があってセクシーです。
意味ありげにガバっと開いたバンパーの冷却用空気取り入れ口も、微妙に高性能を主張。微妙に、がポイントです。
バンパーとグリル、ボンネットは、このモデル専用設計。いやもちろんボディも幅広になっていて専用設計なのですが…。

フォグランプは標準。
しかし最近イエローのフォグランプは流行らないんでしょうかねぇ。
フォグランプはイエローのほうがいいと思うのですが。

リアビュー。
ちょっと下半身デブでしょうか?
いえいえグラマラスでセクシーなリアビューだと思います。
幅広のタイヤを収めるために張り出したフェンダーには、「スペシャル」な雰囲気が漂っていてなかなかそそります。
全幅が広げられているので、幅広タイヤとはいえことさら太いという印象は受けないですね。
ちょっとだけ大きめのリアスポイラー、ですが、これはそういわれないとわからないレベルでしょう。

メーカーロゴは「MAZDA」ではなくて「MAZDASPEED」になっています。
ハッチバック車には不可欠なリアワイパーはもちろん標準装備。
ところでこのワイパーの停止位置、ファミリアSワゴンとは反対なのですが(Sワゴンのコーナーご参照ください)、なにか思うところがあるものなのでしょうか。

リアガラスは色つきなのですが、やはりほどほどの濃さでいい感じ。
ちなみにプライバシーガラスではなく「ティンディッドガラス」というそうです。

リアバンパーもこのモデル専用品。ブラックアウトされた中央部が精悍です。

リアビューでもっとも迫力あるように見えるのは、このぶっといマフラー出口。
実に直径101.6mmだそうです。
私の握りこぶしと比べてみてください(笑)

とても標準装着のマフラーとは思えない下品さですが、きっぱりと標準装備。
見た目はぶっといですが、音は見た目よりもずっと静か。
音質は典型的な4気筒+ターボの庶民派の音。
十分に消音されていますし、低くて乾いた、パワーを予感させるいい音なのですが、6気筒以上のマルチシリンダーエンジンの官能的なサウンドにはちと敵いません。

そう広くは無いボンネットにぎっしり詰まっている、MZRシリーズの、L3-VDT型直4・DISIターボエンジン。
排気量は2260cc。これをインタークーラー付きのターボで過給しています。
DISIは「ダイレクトインジェクション・スパークイグニッション」だそうで、これは別にマツダの用語ではなく、エンジンの一般用語。
直噴・火花点火ということを意味しています。
つまり、シリンダー内部に直接ガソリンを噴射して、点火プラグで点火するということです。
余談ですが、ディーゼルエンジンはDICIとなります。「ダイレクトインジェクション・コンプレッションイグニッション」。
直噴・圧縮点火で、シリンダー内に直接軽油を噴射して、ピストン上昇による断熱圧縮の熱で点火するということです。
余談終わり。

ピークパワーは5500rpmで264ps(194kW)。ピークトルクは3000rpmで38.7Kg・m(380N・m)。
十分以上にハイパワー。
ロングストローク型のエンジンで、ターボのくせして圧縮比は9.5と高めで、おかげで低速トルクも不足は感じませんし、おそらくタービンもそう巨大なものではないのでしょう、ターボラグも上手に消してあります。
ただそのモリモリと盛り上がる力感はまぎれもなくターボエンジンで、無過給ではこの感じはちょっと出せないでしょう。
レッドゾーンはタコメーターによれば6725rpmからですが、6000rpmまでがいいところでしょう。
それより上はシフトチェンジが面倒くさいというときのためのマージンという感じ。
とはいえ、後述しますが変速機がワイドレシオでしかもハイギアードなため、6000rpmまで使えれば十分という気もします。

この画像で一番目立っているのはエンジンの上にデンと居座っている網目の部品。インタークーラーです。
圧縮した、また排気で熱せられたタービンの影響で高温になった空気を冷やすための部品。
こんな位置にあって、ボンネットに穴あいてないんですが冷えるのかいな?と思ったのですが…

…種明かしがこのボンネットの裏。
グリルから取り入れられた空気が導風板によってインタークーラーにぶつかる仕組みです。
だからバンパーにあんなに大きく冷却空気取り入れ口が開いていたのですね。
ラジエター用には、あちらからの空気が当たるわけです。

おおおアタマいい。
これならボンネット上にスリットをいれたりしていかめしい顔にする必要はないですね。

このボンネット、持ち上げてみて驚いたのですが、鉄製でものすごく重いです。
まあこの導風板も含めてですから重いのも仕方ないのでしょうが、これをアルミにすればそれだけでかなりフロントが軽くなりそう。
とはいえ、この価格を考えると、標準でアルミボンネットにしておけとはちと言えないかな。

標準装着のアルミホイールです。10本スポークで丈夫そう。でもちと重そう。
サイズはなんと!18インチ。
サイドビューのところでも触れましたが「でけぇー」という印象。
この画像はフロントタイヤですが、その内側にあるブレーキディスクのサイズが17インチ。
冬のスタッドレスタイヤのことを考えると頭が痛い(笑)

標準装着されているタイヤは、ブリヂストン製のポテンザ・RE050Aという銘柄で、サイズは215/45R18。
かなり幅広で平べったいタイヤです。
しかしこのボディとサスペンションは、このタイヤを履きこなしています。
コーナリングの限界時はややタイヤのグリップに頼ってるかなという印象はあるものの、トラクションは十分にかかりますし、乗り心地もいい!
いや、「いい!」というのは褒めすぎかな。
ただこのタイヤの見た目から受ける印象よりは、ずっと乗り心地はいいです。
硬いボディ剛性の賜物でしょうか。

足回りは現代技術で古典的な味付けをしたという感じで、しっかりダンピングしてあまりロールしません。
普通のアクセラの半分くらいしか揺れない印象。
だから、コーナリング中の姿勢は安定していますし、S字の切り替えしなどもスパスパと対応できます。
ただ、そういう踏ん張る足回りは、どうしてもタイヤグリップへの依存度が高くなる傾向にあり、限界付近がちょっとあいまいです。
ひっくりかえりそうになるほどロールするファミリアからの乗り換えということもあり、もうちょっとロールしてもいいかなあ、という感想。
でも、よく出来ていると思います。
逆にこの古典的な味付けの足で、それでも角が取れた乗り心地を達成しているのですから、最新技術というのはすごいものです。

ドライバーズシートからの様子。
それなりに質感が高いインテリアです。
このモデルはオーディオレス仕様が基本なのですが、あえて標準のアクセラと同じ純正オーディオセットを選択。
インテリアとのマッチングを優先させました。
というか、カーオーディオはいくらいいものにしたところで、走行騒音が入ってくるし、所詮は運転しながらなのでBGMです。
考え方はいろいろあるでしょうが、私は、あまりにひどい音質でなければ、インテリアから浮かない純正のもので十分です。

ハンドルは本革巻き。
これはファミリアSワゴンについていたナルディ製のもののほうがよいものでした。
握るところが、このハンドルは円形状なのですが、ナルディのものはちょうど日本刀の柄のように楕円形で、握りやすかったのです。

メーターパネルの字が赤く発光していますが、ライトがオンになっているわけではありません。
なんでも最近のハヤリらしく、昼でも発光しています。

このモデルは、いまどき6速マニュアルトランスミッションのみ(オートマなし)という硬派な設定です。
リバースギアに入れるには、シフトレバーを「ぐっ」と下に押してからヨコにずらします。

シフトフィールは、…「普通」。
まあFFですから節度感はこんなものでしょう。
かなり凝ったシンクロが採用されていて、ギアは入りやすいです。
ただ、4速→5速がまだ慣れてないせいか渋いというか、ひっかかる感じがあります。
ギアのアタリが付いていないのか、それとも人間のアタリが付いていないのか(多分後者)。

6速あるくせに別段クロースしてもいなくて、忙しくギアチェンジするようなことにはなりません。
さりとて離れすぎたりもしていないように思える。この辺はターボトルクの恩恵でしょうか。
かなりハイギアードなギア比セットで、5速でも100Km/hは約3000rpm、6速なら約2500rpmです。
高速道路を100Km/h巡航する分にはとても静かで、乗り心地も硬いながらフラットで快適な移動空間です。
で、そこから踏み込めばあっというまに何事もなく、とても書けない速度域までスルスルと車速が伸びます。
しかもそんな速度域でも別に怖くありません。オソロシヤ。

シートはセミバケットタイプで、腰だけでなくもうちょっと上のほうまでサイドサポートがあります。
これが結構なできばえ。
腰が痛くなるようなこともなく、窮屈でもなく、でもしっかりと支えます。
赤いステッチが「スペシャル」な感じ。
背もたれには赤い刺繍で「MAZDASPEED」と入っています。演出ですね。
ダッシュボードの上のナビボックスを開けたところです。
フタを上にスライドさせると、伏せられた液晶ディスプレイが現れます。
で、そのディスプレイを上に持ち上げると、下のようになります。

使うときには視線の移動が少なく、使わないときは邪魔にならないし、ふたを閉めておけば搭載もわからないため盗難リスクも減ります。